
企業活動がデジタル化・ネットワーク化するにつれて、ランサムウェアによるサイバー攻撃の被害は深刻さが増しています。近年、企業を標的とした攻撃は単なるデータ暗号化に留まらず、機密情報の窃取・公開を伴う「二重脅迫」が主流となり、日本企業にとっても事業継続を脅かす最大のリスクの一つとなっています。
この記事では、ランサムウェアの基本知識から悪質な手口、実際の被害事例、そして企業が今取るべき具体的な対策について、最新のセキュリティコンセプトを交えて詳しくご紹介します。
目次
ランサムウェアとは
ランサムウェア(Ransomware)は、「Ransom(身代金)」と「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語で、身代金要求型ウイルスとも呼ばれるマルウェアの一種です。
ランサムウェアの特徴
ランサムウェアに感染すると、PCやサーバー内のデータやシステムが暗号化され、利用できなくなってしまいます。攻撃者は、暗号化されたデータを元に戻すこと(復号)と引き換えに、金銭(身代金)を要求してきます。
しかし、金銭を支払ってもデータが復旧する保証はなく、むしろ攻撃を助長することになるため、警察などの公的機関は身代金の支払いに応じないよう強く呼びかけています。
ランサムウェアの手口
攻撃の手口は、不特定多数を狙う「ばらまき型」から、セキュリティが手薄な企業をピンポイントで狙う「標的型」へと進化しています。
二重脅迫(ダブルエクストーション)
特に近年増加しているのが「二重脅迫」です。これはデータを暗号化するだけでなく、あらかじめ機密情報を窃取した上で、「身代金を払わなければデータをインターネット上に公開する」と脅す手法です。企業側に強い心理的圧力をかけ、支払わざるを得ない状況に追い込みます。
進化する攻撃背景
攻撃者は、VPN機器などの脆弱な外部接点から侵入し、時間をかけて重要情報を探し出します。最近では、攻撃ツールをサービスとして提供する「RaaS(Ransomware as a Service)」の普及や生成AIの悪用により、高度な攻撃がより容易に実行されるようになっています。
ランサムウェアに感染した場合の被害例
一度感染を許すと、企業活動には広範囲にわたる深刻なダメージが生じます。
1. サービス停止
・社内業務の停止: 基幹システムが機能しなくなり、経理、人事、営業などの業務が完全にストップします。
・事業の停止: 工場のラインやECサイトが停止し、顧客へのサービス提供が不可能になります。復旧には多大な時間とコストを要します。
2. 情報漏洩
窃取された顧客情報や技術情報が公開されることで、企業の競争力が低下するだけでなく、法的な責任や損害賠償請求に繋がるリスクがあります。
3. 信用の失墜
・ブランドイメージの低下: セキュリティ管理の甘さが露呈し、社会的信用を失います。
・サプライチェーンへの波及: 取引先に被害が波及する「サプライチェーン攻撃」となり、他社の業務停止を招く恐れもあります。
ランサムウェアへの対策方法
被害を最小限に抑えるためには、多層的かつ継続的な対策が不可欠です。
技術的な対策
・脆弱性の排除: OSやソフトウェア、VPN機器のファームウェアを常に最新の状態に保ちます。
・最小権限の原則: 従業員には業務に必要な最小限のアクセス権限のみを付与し、被害の拡大を防ぎます。
・バックアップの徹底: 最後の砦となるバックアップデータは、ネットワークから切り離されたオフライン環境や隔離されたクラウド領域に保管します。
人的・組織的な対策
・リテラシー向上: 不審なメールのリンクや添付ファイルを不用意に開かないよう、全従業員への教育を定期的に実施します。
・訓練の実施: 標的型攻撃メール訓練などを通じて、実戦的な対応力を高めます。
ランサムウェアに感染してしまった場合の対応
万が一の際は、迅速な初動対応が被害の規模を左右します。
迅速な隔離と報告
・ネットワークからの切断: 感染疑いのある端末は、即座にLANケーブルを抜くなど物理的にネットワークから隔離し、感染拡大を防ぎます。
・状況把握と隔離範囲の特定: 感染経路を特定し、影響が及んでいる可能性のある全範囲を隔離します。
・公的機関への相談: 速やかに警察(サイバー犯罪相談窓口)やセキュリティ専門機関に連絡し、捜査協力や復旧支援を仰ぎます。
最新の対策ソリューション-Netskopeによる防御-
境界線が曖昧な現代のIT環境において、従来の防御策だけではランサムウェアを防ぎきることは困難です。
ゼロトラストによる多層防御
そこで有効なのが、すべてのアクセスを検証する「ゼロトラスト」の考え方です。伊藤忠テクノソリューションズが提供する「Netskope」は、このゼロトラストを実現するクラウドセキュリティプラットフォームです。
Netskopeが提供する強み
・リアルタイムの可視化と制御: ユーザーやデバイス、アクセスするデータをリアルタイムで監視し、不審な挙動を即座に検知・ブロックします。
・ZTNA(ゼロトラスト・ネットワークアクセス): VPNに代わる安全なアクセス手段により、許可された特定のアプリケーションのみに接続を限定し、ランサムウェアの横展開(内部拡散)を防ぎます。
・クラウド保護: SaaS上の機密データを守り、二重脅迫の要因となるデータ窃取のリスクを低減します。
まとめ
ランサムウェアは、現代の企業活動において避けて通れない深刻な脅威です。OSのアップデートやバックアップといった基本対策を徹底すると同時に、攻撃の高度化に合わせてセキュリティ基盤そのものをアップデートしていく必要があります。
クラウド利用が中心となる現在のビジネス環境では、Netskopeのような最新のセキュリティソリューションを導入し、強固な「多層防御体制」を構築することが、自社の事業と信用を守るための極めて有効な手段となるでしょう。クラウド環境のセキュリティに課題を感じている方は、ぜひ導入を検討してみてください。













